渋谷へ向かう朝の満員電車。
虚ろな目をしたOLさんや、昨日の夜セックスしました感満載のいちゃいちゃカップル、痴漢を疑われないように必死に両手を挙げるサラリーマンをぼんやりと眺めながら、ガタンゴトンと電車に揺られていた。
座っているワタシの目の前にはガッシリ体型のイケオジが立っていて、その人の携帯を持つ手にふと目を止めた。

(くっきり浮き出た血管、綺麗に整えられた爪……はい、セクシー)
目線を下に落として筋肉質であろう下半身を眺めると、シワひとつないスーツがいい感じにジャストフィーーーーット!
( くぅ〜!絶妙にバナナの形分かるやん )
いかんいかん、想像してはいかん。この人がどんなセックスをするかなんて考えてはいけな……くっそ~!膣キュンが止まらない(心拍数)
前におった人見た?めっちゃイケてなかった?ああいう人に手首押し付けられるのがええねん。
でたでた。アンタ好きそうやなーと思ってたわ。私はもっとかわいい系じゃないと無理。ほんでSMっぽいのも嫌やわ(笑)普通にイチャイチャしたいやん。
このように、異性にときめくポイントは人によって違うらしい。
ワタシみたいに男性ホルモン強めダンディに魅力を感じる人もいれば、彼女みたいにプードル系甘々男子にくらりとくる人もいる。
今ではこんなに性的嗜好が違うけれど、最初はミンナ男のおの字も知らない女の子だったよね(トオイメ)
なにも知らなかったのに、
本能的に感じた”膣キュン”
人生で初めて膣キュン感じた瞬間は、某国民的美少女アニメの変身シーンを見たときだったと思う。

変身の呪文とともに、驚異的なスタイルの女の子がほぼレオタード姿でくるくる回ってのけぞり、「お仕置きよ!」という強烈なキメ台詞で変身を締めくくる。
まだ幼かったワタシは、その変身シーンを観るたびに感じてはいけない”何か”を感じてモゾモゾしていた。
主人公とイケメンキャラとの男女の距離感が描かれたシーンや、女の子が敵に縛られているシーンを観たときも、やっぱり”何か”を感じてしまう……。
なんとなくそれらのシーンを親とは見ちゃいけないような気がして、なんとなく”何か”を感じるシーンを留守番中にコソコソ観て過ごした。
その様子はまるで、親に隠れてAVを観る男子中学生そのもの。純粋なココロに芽生えた性への好奇心の芽はすくすくと成長していった。
SMプレイに魅了された
あの日の記憶
そんなかわいいオサナゴコロを経て、小学校の高学年になる頃には男女のあれこれを理解した。
背徳感と好奇心に胸を躍らせながら、本屋にひっそりと置いてあった誰が読んでんねん的な官能小説を読み、今では絶対にありえない過激な大人向けTV番組を観て、意味が分からない大人のワードをひたすらネットで検索して学んだ。

大人の世界に浸りたい!という気持ちと周りにバレたら恥ずかしくて死んでまう!という気持ちの板挟みになって、
「ワタシ、この世で一番エロいかも。」
と、当時はすんごい不安だった。
そんな性的好奇心を満たす日々をひそひそと過ごす中で最も衝撃を受けた瞬間は、実家にあった週刊誌のSMプレイ系のAV紹介ページを見たときだった。

そこには屈強な体の男の人や、目ん玉飛び出るくらい卑猥な形のアダルトグッズ、エビ反りになって縛られている少し痛々しい様子の女の人など、これまで見てきたものとは比べ物にならないくらい生々しくて衝撃的な写真の数々があった。
わァ!!!!!(パタンッ)(雑誌閉じる)
絶対見てはいけないものを見てしまったと思った。それなのに、怖いもの見たさでまたページを開いて、眉間にしわを寄せながら今度はじっくりまじまじと見る。
なんてこったい!ノーマルなセックスで気持ちよさそうな女の人ではなく、男の人にいろいろやられちゃって苦しそうなセックスをしてる女の人の方が見ててドキドキしちゃってるやん!
とんでもない背徳感を感じたけれど、こっそりAVを見る男子中学生スタイルでドアの方をチラチラ見ながら赤くドロドロしたパンチのあるAV紹介ページをしばらく眺めていた。
いろいろな経験をしても根強い、自分の”膣キュン”の原点
セーラームーンを観てアワアワしていたあの頃からしっかり大人になったワタシは、人並みにセックスを経験した。
でも、いつだって興奮するのは、大事に扱われつつも後ろから首元を抑えられたときや、おっぱいを甘噛みされて「痛い?」と聞かれたとき。
どうやらワタシは、ちょっぴり強引な感じでされるのが好きらしい。
国民的美少女アニメや官能小説、隠れながら見たSMプレー系のパンチの効いたAV紹介ページ。
性癖やフェチは遺伝的と後天的が半々とはいわれているものの、ワタシの場合は完全に幼少期から蓄積された”膣キュン”の瞬間が関係しているみたいです。
